日銀短観の内容

日銀短観のアンケート内容は、「業況判断」をはじめとして、「売上高・収益」「設備投資」「雇用」など、企業活動全般にわたっています。 ただその中でも、大企業製造業の「業況判断」は特に注目されています。 「業況判断」のユニークな点は、「良い」「さほど良くない」「悪い」の中から3択で答えを選ばせる点です(調査項目のうちの判断項目は、すべてこのスタイルです)。

また、例えば「良い」「さほど良くない」「悪い」に対する回答の割合が、それぞれ40%、25%、35%だったという場合でも、 単純にその数字を示すことをせずに、「良い」の%から「悪い」の%を引いた数を示す方法を採っています。 これを「業況判断D.I.」と言います(D.I.は、Diffusion Indexの略)。この例の場合だと、業況判断D.I.は、40%−35%=5%(ポイント)ということになります。

D.I.を使うのは、長期にわたる推移を見る場合には、単純に回答率を示すよりも、D.I.の形にして比較した方が、過去からの流れも把握しやすく、 将来の予測にも資すると考えられたからです。下に掲げたのは、最近の大企業製造業の業況判断D.I.の推移を示したものです。 ▲はマイナスを表していますが、2008年9月のリーマン・ショック以来の経済状況と考え合わせてみれば、「業況判断D.I.」の有用性がよく分かると思います。

■ 2008年〜2009年の大企業製造業の業況判断D.I.

08/03 08/06 08/09 08/12 09/03 09/06 09/09 09/12

  11  5  ▲3  ▲24  ▲58  ▲48  ▲33  ▲21


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